世界舌側矯正歯科学会 認定医試験に合格しました。
2023年03月15日
目次
第9回 世界舌側矯正歯科学会(神戸)に出席しました。
今月1~3日に休診をいただき、神戸で開催された世界舌側矯正歯科学会(Congress of World Society of Lingual Orthodontics)に参加してきました。
2年ごとに世界中のどこかで開催される学会ですが、今回は日本ということで距離的なハードルも下がり、参加することが出来ました(ちなみに再来年の開催場所はチリ(!!)です)。
初日はセミナーに参加してきました
初日の朝早くに家を出て、新千歳空港から北海道の翼で神戸空港へ。
初日は学会上でpre-congressと呼ばれるセミナーがいくつも開催されていて、そのうちの一つに午後から参加させていただきました。
舌側矯正のセミナーはかなりの数を受講してきたつもりでしたが、今回はまだ受講したことのない先生のセミナーがあったため、そちらを受講しました(かなり早めに定員に達してしまったようですが、早めに申し込んだので無事参加できました)。
刺激を受ける内容で、まだまだ勉強は必要で、治療の改善できるポイントが多いなと感じさせられました。
当院で採用可能な内容も多く、今後の治療に十分役立てることが出来るものと思います。
本学会について
2日目と3日目は本学会です。
世界舌側矯正歯科学会ということだけあり、世界中から著名な先生が来日し、講演していただきました。
どんな先生が講演した?
アメリカのWon Moon先生やAndrews先生、高橋先生ご夫妻によるスタッフ向けの講演、舌側(リンガル)矯正技工に関する講演、マウスピース矯正に関する講演など内容は多岐にわたりました。
いままでの知識を深め、また最新の研究結果や知見を手に入れることが出来ました。
認定医(active member)試験に合格しました
また学会ではactive member, Board memberという認定医や専門医のような資格があり、学会期間中に試験が行われました。
いずれの資格も取得に際して症例発表などが必要になります。
そして今回、その認定医に今回申請し無事に合格することが出来ました。
試験(症例発表)の内容は?
試験には、自分で治療を行った裏側矯正の治療例が必要です。
また、それぞれの治療について、
・概要
・診査内容
・分析結果
・診断
・治療計画(また、その治療計画に至った理由)
・実際の治療経過
・治療前、治療中、治療終了時、治療終了後の写真やレントゲン
・治療結果
・結果に対する考察
等を記載し、1つの治療例ごとに30~40ページ分の内容にまとめます。
また、歯の模型の提出も必須です。
そして、、今回は国際学会のため全て英語での報告でした。
英語が苦手な私にとっては大変な難関でした、、、。
ガラディナーに出席
2日目の夜は、近くのホテルで行われるパーティーに出席です(この辺りがとても国際学会っぽいです)。
ここで、認定医の授与などが行われました。
恥ずかしがり屋なので、右の端の方で記念写真ですw
舌側矯正とは
せっかくですので、舌側矯正治療について簡単に触れたいと思います。
舌側矯正治療とは、マルチブラケット装置という1本ずつの歯に装置をつけて針金で歯を動かすというマルチブラケット装置を、文字通り「歯の裏側(舌側)」につけて歯を動かすという治療法です。
「見えない矯正」「裏側矯正」「リンガル矯正」などとも呼ばれます。
表側矯正とは違うの?
基本的には同じ仕組みで歯は動かせます。
ただ、表側の矯正治療と比べて難しいところや制限されるところ、配慮するところが沢山あります。
そのため、表側矯正の治療への深い理解と経験はもちろんのこと、裏側矯正に必要な様々な知識や技術など多くのものが必要になります。その分治療の難易度はかなり高くなります。
費用面では、装置を準備するにあたり専門性の高い知識や技術をもった歯科技工士さんにお願いすることもあり、費用もかなり高くなっています。
当院での裏側矯正について
基本的には受け入れていますが、裏側矯正に向いていないケースもあり、そういった方については裏側矯正をおすすめしない、お断りをするということもあります。
また、治療を受ける患者さんにとっても大変なところやデメリットがあります。
相談の際にはそういったこともお伝えし、その上で裏側矯正治療の希望があれば遠慮なく申し出て下さい。
おまけ
学会中のランチタイムを利用して、中華街に足を運びました。
気がつけば横浜、長崎(いずれも日本矯正歯科学会大会期間中に訪問)、そして今回の神戸と、日本3大中華街を制覇してしまいました。
今回食べたちまきも最高でした。
皆様も神戸に行く機会があればぜひ食べてみてください。