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【矯正コラム】 不適切な矯正治療に関する調査

2015年08月08日

先日「あさイチ 子供の歯の矯正トラブルについて」という矯正ブログを公開しました。

今回、より詳細なデータがあったのでここでご紹介させていただきます。

 

56%が不適切な矯正治療

まず衝撃的なのが、転院の相談者のうち、子どもの56%が不適切な矯正歯科治療に該当ということではないでしょうか。「日本臨床矯正歯科学会の調査によると、2014年の1年間で矯正治療の転院の相談者517人に対し実態調査したところ、その56%が前のクリニックで不適切な治療を受けていたことが判明した。」という大規模な調査結果であり、下の図のように、相談や他院からの転医があった123件のクリニックに来た517名のうち56%にあたる288名が不適切な治療であったとの事でした。

 

年齢を問わない不適切な治療

不適切な治療を受けていた患者さんの年齢分布は下のグラフのように年齢を問わないものでした。

 

原因のほとんどは「治療内容」

ではどういった点が不適切だったかというと、ほとんどの場合治療内容に関するものでした。

治療期間や治療費などもありますが、治療内容に比べるとかなり少なく感じられます。

 

検査機器や説明の不足

あと、個人的に気になったのが、「しっかりした検査や説明がなされないまま治療が行われていた」という事実です。

 矯正治療では骨格や歯の傾きを調べるため、セファログラム(頭部X線規格写真)というレントゲン撮影が必要になってきます。もちろん他に歯の模型や写真などが必要になってくるのですが、このレントゲン撮影には専用のレントゲン機器が必要になってきます。設備不足のためでしょうか、今回の調査では不適切な治療を受けた患者さんの4割以上がこのレントゲン撮影を行っていなかったようです。

また、具体的な治療内容の説明がなされていなかったのが約5割、費用に関しても2割以上の場合に患者さんに話や理解をされていない状態で治療が行われていませんでした。

 

前医院の治療をしていた歯科医の勤務形態

最後に転医前はどういったドクターがどのような勤務体系でその治療を行っていたか、というものです。

 現在、矯正歯科は歯科医であれば誰でも行えます。

ただ実際のところ、矯正治療は大学を卒業した段階では技術・知識ともに行うことができる水準には達していません(もちろん最低限の知識はありますが)。

その為、矯正歯科専門のドクターはそのほとんどが長い年月にわたり大学の矯正歯科の講座や矯正歯科専門のクリニックで勉強し、腕を磨きます。

しかし下のグラフを見る限り、不適切な治療を行っていたのは

・矯正歯科医だが「設備」が足りなかった

・矯正歯科医でなく、「技術」「知識」「経験」のいずれかが足りなかった

という可能性が高いということです。

全てがそろっている矯正専門のクリニックで矯正治療をする、というメリットについて考えてみてはいかがでしょうか。

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